ミシェル・フーコー
河出書房新社
売り上げランキング: 129574
河出文庫からミシェル・フーコー「ピエール・リヴィエール-殺人・狂気・エクリチュール」が出る。
1835年6月3日,フランスの小さな農村で20歳の青年が妊娠中の母親,18歳の妹,8歳の弟を殺害するという事件が起こった。当時のフランスではこの事件が大きく取り上げられ,彼が精神異常であったかどうかについて,精神科医はもとより,マスコミでも様々な意見が戦わされた。そして犯人ピエールは,鑑別所で生い立ちと,殺害の状況,その後の行動について,詳細な手記を執筆した。裁判では死刑が決定するが,国王の恩赦が下り終身刑に減刑となる。しかし結局,ピエールは独房で首を吊って自殺してしまう。
この事件は,当時誕生期にあった精神病理学が注目を集めるきっかけになった。従来のフランス刑法では,狂気がはっきりと現れていれば犯罪とならなかったが,逆に,それが現れていなければ,精神異常は減刑の理由とはならなかった。しかし1832年の刑法改正により,情状酌量が認められるようになり,精神異常者の減刑が可能となった。そうなると,何をもって精神異常と判断するのかという課題が生じた。新しい精神病理学が問題にしているのも,本人が意識していないが理性を超えたところにある意識だ。
とりたてて学も無かったはずの犯罪者が書いた魅力的な手記。この手記についてフーコーは,「テクストの美しさに,彼が正気である証拠を(すなわち死刑を宣告する証拠を)見いだす人も,狂気のしるしを(すなわち彼を終身監禁する理由を)見いだす人もいるだろう」と言っている。
2010年7月29日 in
2010年

|
コメントなし
先週,集英社が反り返らない文庫本カバーを開発した,というニュースがあり,どんなものだろう?と思っていたのだが,これはカバーにナイロン素材を使うことにより,湿気によって反らないで強度が保持できるということらしい。ちなみにコストは従来カバーの1.5倍で,これによる値上げは無いとのこと。
2010年7月28日 in
2010年

|
コメントなし
田中 優子
筑摩書房
売り上げランキング: 82739
筑摩書房では,創業70周年を記念し,文庫の復刊を予定している。これまでの刊行点数は,ちくま文庫2600点(1985年創刊),ちくま学芸文庫1200点(1992年創刊)とのことで,刊行年数の割には結構出ているんだなぁという感じだが,そろそろ品切れも多くなってきたので,今回,読者のアンケートにより復刊書目を決めるというもの。
アンケートはWebで,復刊の要望が多い150点の中から3冊までを選ぶ。復刊リクエストに参加した人の中から抽選で100名にオリジナル・トートバッグが当たる。締切は9月15日。
復刊候補書目はHPに掲載されているが,これは選ぶのが難しい……読みたい本が見あたらないから^^;; ちくま文庫には面白い本が多いという印象はあるが,まあそういう本は品切れになっていないのだろう。あえて選べば,「ガロ」編集長 ,本とつきあう法,私のチャップリンの3冊だが,みんな持ってるんだよね。
2010年7月28日 in
2010年

|
コメントなし
ノエル・カレフ
東京創元社
売り上げランキング: 231063
まだ出ていないか「東京創元社 文庫解説総目録」(高橋良平+東京創元社編集部編)。
編集部によると,同社で発行したすべての文庫全点の著者名,訳者名,ジャンル,内容紹介文を掲載(今はなきゲームブック,5冊で終わってしまったイエローブックスなどもちゃんと入っている)。2分冊で,「目録編」と「資料編」があり,この資料編には,座談会,エッセイ,全集・叢書のリスト,単行本のリスト,会社沿革の年表などを収める。
また,座談会や鼎談には,江戸川乱歩・花森安治・戸板康二の鼎談による「推理小説について」,福永武彦のエッセイ「小説の愉しみ」,さらには植草甚一ら50人以上による「海外推理小説アンケート集」,「世界大ロマン全集アンケート集」,厚木淳インタビューなどが含まれているとのこと。価格は4200円。
詳しくは東京創元社のページを見ていただくとして,当初2009年の文庫創立50周年に合わせるはずだった刊行が遅れています。もう,まもなく発売(できたらいいな)という状況のようですので,みんなで応援しましょう。
2010年7月26日 in
2010年

|
コメントなし
タイモン・スクリーチ
講談社
売り上げランキング: 18733
講談社学術文庫の新刊「春画 片手で読む江戸の絵」を読む。内容は,「「美」ではなく、「欲望」の絵が春画である。独身男たちが溢れた江戸は,遊郭が栄え,艶本が数多板行され,男色が当たり前だった。江戸のセクシュアリティの文脈で捉えなおすと,春画はもう一つの顔を見せる。・・・本書は,枕絵,笑絵,危絵,美人画など,浮世絵の画像を対象に,春画を、「美術」ではなく,江戸の性の文脈で捉え直し,斬新な解釈を提示する。」
1998年に講談社選書メチエで出たものの文庫化で,著者タイモン・スクリーチは,1961年英国にうまれ,オックスフォードを卒業した日本美術史の研究家。学習院大や早大で研究員をつとめ,現在は多摩美大客員教授とのこと。
しかし,片手で読む・・・というのは,ずいぶん意味深であるな,と思う。
2010年7月26日 in
2010年

|
コメントなし

今回,岩波文庫以外は極力整理するつもりだが,これは残しておこう。中公文庫より1982年頃に出ていた川上澄生全集全14巻。内容は,「ゑげれすいろは詩画集」,「じゃがたらぶみ」,「横浜懐古」,「平戸幻想」,「いんへるの」,「えぞがしま」,「少年少女」,「版画」,「蛮船入津」,「アラスカ物語」,「蔵書票集」,「革絵・硝子絵」,「装幀・装画」,「川上澄生全詩集」。
2010年7月26日 in
2010年

|
コメントなし
岡倉 覚三
岩波書店
売り上げランキング: 7657
最近,「お茶」に興味を持っているので,本棚から岩波文庫「茶の本」を引っ張り出して読み返してみる。岡倉天心が米国において英文で出版した本書は,『茶は薬用として始まり後飲料となる。シナにおいては八世紀に高雅な遊びの一つとして詩歌の域に達した。十五世紀に至り日本はこれを高めて一種の審美的宗教,すなわち茶道にまで進めた。茶道は日常生活の俗事の中に存する美しきものを崇拝することに基づく一種の儀式であって,純粋と調和,相互愛の神秘,社会秩序のローマン主義を諄々と教えるものである。茶道の要義は「不完全なもの」を崇拝するにある。いわゆる人生というこの不可解なもののうちに,何か可能なものを成就しようとするやさしい企てであるから。』として,お茶に込められた日本人の精神を語っている。
檀 ふみ
アシェット婦人画報社
売り上げランキング: 39372
日頃パイプ道は志していても,茶道に縁のない自分としては,安易に茶道の心得を知ろうとの魂胆から,「Akatsuki庵~茶道あれこれ」といったHPも眺めているのだが,書店で見かけた「檀ふみの茶の湯はじめ」を読んでみた。 一通りの作法を会得するだけでも大変だが,美熟女に囲まれてお点前というのは楽しそう。まあ,パイプと違って,お金が半端じゃなくかかりそうだから,自分には無理だろうなぁ・・・
2010年7月25日 in
2010年

|
コメントなし

立原あゆみの「麦ちゃんのヰタ・セクスアリス」全8巻+第2部3巻。これも懐かしい集英社コバルトシリーズ版(昭和55年刊)が出てきた。もともとは,集英社の雑誌「小説ジュニア」(昭和41年創刊,57年にCobaltへ誌名変更)に連載したもので,主人公麦の青春時代を繊細なタッチで描く。立原あゆみを任侠系の作家だと思っている方には,意外な作品かと思う。
立原 あゆみ
集英社
売り上げランキング: 325118
作中,麦ちゃんは北大の獣医学部に進学する(ずっとあとになるけれど動物のお医者さんといっしょだ)が,自分も札幌に在って学生時代まっただ中だったから,いろいろと思い出に残っている本。今読んでも決して古くさくないと思うが・・・やよいと本当に別れてしまったのかは30年経っても謎のままだ。
2010年7月25日 in
2010年

|
コメントなし

書庫整理の続き・・・岩波文庫赤帯メインの棚。前後2段で収納してある。古書店で買ったものには見返しに購入金額の書かれているものもあるが,岩波文庫が定期的に復刊を始めるまでは1冊1万円を超えるような絶版本もあったので,今それを見るとちょっと悔しい^^;;
ラマルク
岩波書店
売り上げランキング: 88307
かつて高額本だった「動物哲学」。その後復刊されて手に入りやすくなりました。
2010年7月25日 in
2010年

|
コメントなし

書庫整理で出てきた。これは懐かしい森伸之の初期の制服図鑑シリーズ。昭和60年。都内151校完全収録と謳っている。何で買ったのかは覚えていない^^;;
森 伸之
東京書籍
売り上げランキング: 376022
最近は,写真集みたいな制服図鑑が多いけれど,森伸之さんのは,あの絵がいいんだよね。
2010年7月25日 in
2010年

|
コメントなし

整理してても、懐かしい本が出てくると、ついパラパラと読んでしまいますね。とくに黄帯はふだんなかなか読み返さないから。これは、「利根川図志」と「北越雪譜」。
鈴木 牧之 岡田 武松
岩波書店
売り上げランキング: 82733
「北越雪譜」は新本で手に入ります。
2010年7月24日 in
2010年

|
コメントなし

書庫整理の続き。岩波文庫のぼろぼろになったカバー(グラシン紙)は取り除き,ヨゴレを払ってとりあえず収納していく。1970年代のものが多く,光の当たる書棚の全面に積んであったもののカバーは,触っただけで崩れるほど。幸い本体はほとんど汚れていない。とにかく数があるので,書棚には前後3列で積んである。
黄帯と緑帯から手を着けたのだが,まだ黄帯も全部終わっていない。数の多い赤帯や青帯は8月中に片が付くのだろうか(>_<)
2010年7月24日 in
2010年

|
コメントなし
葵 ゆう
角川グループパブリッシング
売り上げランキング: 294662
角川ビーンズ文庫編集部は,葵 ゆうの2作品,「ユヴェール学園諜報科 一限目は主従契約」(21年10月1日)と「ユヴェール学園諜報科 生徒会長と二限目を」(22年3月1日)について,他の作品の表現を盗用した部分が複数見られたことから,出荷停止,絶版,回収処分とすることを決めた。また,8月1日刊行予定の最終巻は刊行を中止する。
著者も『作家として最もやってはいけない行為に,及んでしまった自分の短慮を,今では深く反省しております。今後の作家活動につきましては白紙とし,改めて皆様に心よりお詫び申し上げます。大変申し訳ありませんでした。』と事実を認めているため,編集部では,『強く責任を感じて,今後は新人作家のモラル向上,作家育成も含め,再発防止に努めていく』とのこと。
先月も電撃文庫で哀川譲の「俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長」が流用による絶版になったばかりだし,ライトノベルってのはほんとにお手軽なんだな・・・と思ってしまうが,去年岩波書店でも他人の論文の著作権を侵害する個所があったとして,回収,絶版処分にした本があった。名古屋の東山動植物園企画官の著書で「キリンが笑う動物園」。まあ,これは表現を盗んだというより,論文の引用が常識的な範囲を超えていたということなんだろうが・・・やってることは同じか。
2010年7月23日 in
2010年

|
コメントなし
新文化紙によると,「婦人画報」7月号が完売店続出のため重版された。
アシェット婦人画報社発行の同誌7月号が,紀伊國屋書店の各店舗など全国の書店で完売店が続出し,1万部重版した。また,同誌8月号も実売率95%に達し,完売書店が相次いでいるという。
同社では,「創刊105周年記念」として,7月号には「おいしい京都137軒」と題した132ページの別冊付録を,8月号には京都の老舗呉服店「岡重」の扇子と扇子袋,さらに別冊「買いたい京都 名品100選」を付録としたことなどが要因と見ている。
ちなみに,「婦人画報」は明治38年7月3日に国木田独歩により創刊。独歩は初代編集長も務めている。ただし,当初の独歩社は独歩がたくさんの雑誌を出し過ぎて破産し,同社の編集者だった鷹見久太郎らが「婦人画報」を引き継ぐため,明治40年に東京社を設立した。この東京社も昭和6年に一時経営が破綻したが,その後再建され昭和23年に婦人画報社に社名変更。平成11年からはフランスの出版社の資本下で,アシェット婦人画報社となっている。
2010年7月23日 in
2010年

|
コメントなし
朝日新聞等によると,米国のペントハウス誌(1965年創刊,フレンドファインダー・ネットワークス社)が,プレイボーイ誌(1953年創刊,プレイボーイ・エンタープライゼズ社)に対して,180億円で買収を提案した。
ペントハウス側では,買収後もプレイボーイ誌の名前は残すとの考えで,プレイボーイ創業者のヒュー・ヘフナーにも引き続き編集を任せたいとのこと。プレイボーイ側では,ヘフナー自身が自社を買収する方針を発表しており,株式を非上場にして買収を逃れる狙いがあるとみられている。
Josh Robertson
Chronicle Books
売り上げランキング: 29762
両誌とも我々の世代にはとくになじみ深いが,一般的にはどちらもすでに過去の雑誌というイメージが強いのでは。ヒュー・へフナーの豪奢な私生活にしても,当時は酒池肉林の世界^^;;が実際にあるんだなぁと羨望をもって見ていたけれど,今になってみると,偶像化されたへフナーと取り巻き連中,それに媚びる売り出しに懸命なモデル達という構図で,俺も馬鹿なことやったな,とバブル時代を省みるような気持ちだ。
2010年7月22日 in
2010年

|
コメントなし