| 岩波文庫の整理番号
(1998/4/11)
現在の著者別番号は,分野別,著者別に一連の番号を振ったものなので,書店でもその順にならべているところが多く,目当ての本を探すときには「スタンダールは赤帯のフランス文学だから,500何番かな....」という具合である。 この著者別番号ができたのは1974年3月であるから,それまでは刊行順に振られた★番号が頼りであった。しかし,この★番号は,分野や著者には関係のないものだから,書店で★番号順にならんでいたとしても,目的の著者,タイトルを探しだすのは大変だった。 そこで1931年,刊行点数が300点をこえたのを機に,分野別に通し番号を振り,書店や読者の便宜を図ろうということになった。すなわち,岩波文庫を5つの帯色に分け,それぞれに通し番号を振った帯を巻くことによって,目的の本がどの辺りにあるのかをわかりやすくしたのである。
この整理番号は,昭和20年代半ばにいちど改定され,それぞれの帯色のなかであらためて1から順に振られることとなった。これにより「こころ」は緑39に変わった(ちなみに緑1は,藤村詩抄)。 整理番号は,あくまで既刊本を整理するための番号であったから,帯のみに記され(本体は★番号のみ),「総目録」にも記載されていない。しかし,当時の読者にとっては,これが書店での本探しの手がかりであったから,古い「解説目録」にはちゃんと載っている。
1974年に著者別番号に変わってからは,帯と本体に同じ番号がつけられるようになったため,この整理番号はなくなった。このような事情で,たとえば漱石の「こころ」は,★番号では8−9(のちに8−9a),整理番号では緑1001(のちに緑39),著者別番号では緑11−1,という変遷を辿ったことになる。 写真は整理番号の例。それぞれ,昭和7年,昭和11年,昭和17年発行のもの。 |