岩波文庫の"厚い本薄い本" (1998/2/14)

5000冊に及ぶ岩波文庫の中で,最も厚い本と薄い本はなにか? これは,岩波文庫ファンならずとも,気になるところ....ではないかもしれませんが,調べてみました。

結果,厚い本は「青年の環」が圧勝! 5分冊合わせて4380ページは文字通り圧巻です。残念ながら,書店の棚の場所ふさぎと思われたか,あっと言うまに絶版となりましたが....。

上位では「迷路」「レ・ミゼラブル」「ジャン・クリストフ」「戦争と平和」など,昭和60年代に入って,長篇の合本化が急に進んでから出たものが目に付きます。

この時期には,500ページを超える分冊ものがどんどん出ましたが,これも省力化ということでしょうか? 書店にとっては省力化でも,電車読書人にとってはハンドパワーがないと持ち疲れする過酷な状況となりました。

それ以外では,膨大な解説のついたラブレーや,終戦間際・戦前最後の刊行となったファラデー大健闘といえるでしょう。

一方,薄い本のトップは昔からよく知られている「中臣祓講義」。これぐらい薄くなると背文字が入らなくなるので,特別に厚手の表紙探してきて使ったという話もあります。それでも古い薄い本は背文字が見えないので,書棚でもすぐ行方不明に。トレーシングペーパーなどをかけて書名をハッキリ書いておく必要があります。

第2位は,何度か刊行されているマルクスの「資本論」のうち,第1巻1〜5分冊までを出して途絶した河上肇訳。いろいろとトラブルのあった河上訳。岩波にとっては無念の銀メダルといえましょう。

薄い本は,厚い本と違って限度がありますから,「中臣祓講義」の記録はこの先,破られることはないでしょうね。

岩波文庫厚い本(500ページ以上)
野間宏青年の環(3)920
野間宏青年の環(1)916
野間宏青年の環(2)856
野間宏青年の環(4)848
野間宏青年の環(5)840
野上弥生子迷路(上)650
野上弥生子迷路(下)650
ロマン・ローランジャン・クリストフ(2)634
トルストイ戦争と平和(2)624
ユーゴーレ・ミゼラブル(4)624
トルストイ戦争と平和(3)622
ロマン・ローランジャン・クリストフ(3)614
ユーゴーレ・ミゼラブル(2)612
クラウゼヴィッツ戦争論 上巻610
クラウゼヴィッツ戦争論 下巻610
ユーゴーレ・ミゼラブル(1)608
ユーゴーレ・ミゼラブル(3)598
トルストイ戦争と平和(1)594
峯岸義秋編歌合集566
石島快隆訳注抱朴子558
トルストイ戦争と平和(4)554
トルストイ戦争と平和 第1巻546
ゲーテファウスト 第2部546
ラブレー第3之書パンタグリュエル物語546
ラブレー第4之書パンタグリュエル物語546
トゥキュディデーズ戦史(下)544
ロマン・ローランジャン・クリストフ(1)540
リップス心理学原論540
笹野堅校訂能狂言(中)540
松尾芭蕉芭蕉俳句集538
次田香澄校訂玉葉和歌集538
マルクス資本論(2)536
ファラデー電気学実験研究(2)532
マルクス資本論(6)530
夏目漱石文学論528
ハリス日本滞在記(上巻)524
ホッブスリヴァイアサン(3)522
マルクス資本論(4)522
羽仁五郎明治維新史研究520
ロマン・ローランジャン・クリストフ(4)518
松枝茂夫中国名詩選(下)518
ラブレーガルガンチュワ物語516
小林勝人訳注孟子(下)514
中原中也中原中也詩集510
アダム・スミス諸国民の富(3)510
ローザ・ルクセンブルグ経済学入門510
シュムペーター理論経済学の本質と主要内容(下)510
スタンダール赤と黒(下巻)508
新村出校閲毛吹草506
頼山陽日本外史(下)504
聖アウグスチヌス懺悔録 全訳504
ホッブスリヴァイアサン(2)504
荒畑寒村寒村自伝(下)504
朝比奈宗源訳注碧巌録(上)504
道元禅師正法眼蔵 下巻504
アダム・スミス諸国民の富(2)500
シュムペーター理論経済学の本質と主要内容(上)500
峯岸義秋校訂六百番歌合・六百番陳状500
岩波文庫薄い本(90ページ以下)
竹内式部中臣祓講義62
マルクス資本論(第1巻第4分冊)64
芥川龍之介地獄変72
鴨長明方丈記72
芥川龍之介羅生門・鼻・芋粥76
上田秋成春雨物語76
カント美と崇高との感情性に関する観察82
小林一茶父の終焉日記82
恩田木工日暮硯82
千田憲編祝詞・寿詞82
国木田独歩源をじ84
キケロ老境について86
ウェーバー職業としての学問86
ストリンドベルク令嬢ユリュ88
毛沢東文芸講話88
金子大栄校訂歎異抄88