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はじめに....岩波文庫について(1998/4/18)
岩波文庫は1927年(昭和2年)7月10日に岩波書店より創刊。その前日には,東京朝日新聞第1面に「古今東西の典籍-自由選択の普及版」というキャッチフレーズとともに,創刊の辞である「読書子に寄す」が掲げられ,「万葉集」以下31書目でのスタートだった。 以来70年間に約5000冊を刊行し,総発行部数は3億5千万冊に上る。岩波文庫以前にも袖珍本などと呼ばれる小型本は刊行されていたが,古典的な作品を大量かつ廉価に刊行するという,現在の文庫本の概念を作り上げたのは岩波文庫であった。 1997年,創刊70周年を迎えた記念として,既刊のすべてを掲載した「岩波文庫解説総目録」(文庫版3分冊,ほか特装版,CDROM版もあり)を刊行した。岩波文庫はそれ以前にも,創刊60周年に「岩波文庫総目録」(ハードカバー,刊行年代順の書名リスト),創刊40周年に「解説目録」(品切書目一覧付き)など,コレクターが頼りとする目録を出していたが,今回は全点解説付きなので,読み物としても大変に面白い。 かつて「岩波文庫の解説目録を読む会」というのがあったそうだが,確かにこれは岩波文庫の購入ガイドというだけでなく,古今東西の名作スーパーダイジェストといえるだろう。
ただ,その5000冊の中で,現在書店で手にすることのできる書目は,かなり限られている。40周年「解説目録」の前書きで岩波書店は,「品切れ書目が多いのは,理由がありますが....いちいち申し上げません」などと情けないことをいっているが,いやしくも「自己の欲する時に自己の欲する書物を各個に自由に選択する」と自負する文庫の既刊書目が,8割品切れで,最近細々と復刊されてはいるものの,戦前一度出たきりという書目も少なくないというように,著しく選択の自由を制限しているのはいかがなものか。 具体的に現在岩波文庫で生き残っている書目の点数と品切れ比率は以下の通りである。分野による品切れ比率の差はほとんどない。(1996年12月現在)
これを30年前(創刊40周年)の在庫数と比較してみる。
この30年間に1500冊にもおよぶ新刊が出たにもかかわらず,在庫点数はほとんど変化がなかった。この辺が岩波の在庫の限度ということなのだろうか。 ちなみに現在までの岩波文庫売り上げベストテンは岩波によると次の通り....
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