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5月31日

グレアム・グリーン「第三の男」(小津次郎訳)がハヤカワ文庫の新刊として出た。かつて見てから読むか,読んでから見るか,という宣伝もあったが,これはもう見てから読む人が大部分ではないかと思う。だいたい,映画で感動したものをあとから本で読むと,がっかりする場合が多いけれど,本書は,読み終わってからまた映画も見たくなる優れた作品である。

5月30日

河出書房の新刊「再現・昭和30年代 団地2DKの暮らし」(青木俊也)を読んで,ちょっとショックを受けた。昭和30年代,最もモダンな生活スタイルであった団地。新しい電化製品が次々と開発され,洋風の暮らしにあこがれていた頃....。つまりよく知っていたはずの私の子供時代なのだが,記憶の中でぼんやりとしかかってきたその生活を,こんなに鮮明な,昨日ポストに投げ込まれたマンションの売り出し広告であるかのような,鮮明なカラー写真で見せられると,やはり吃驚させられる(松戸市立博物館で保存されているそう)。なんといってもここに写っている家族の幸せそうな顔がよい。いまの物にあふれた住まいに暮らす人々の顔を顧みるに,将来に対する希望が持てた時代があったんだなぁ,と詠嘆せざるを得ない。

5月29日

「湘南スタイル」(えい出版社)という雑誌がある。不定期刊(半年に一度くらいか)ではあるが,地元雑誌なので毎号丹念に読んでいる。内容は,湘南らしい家や,店を探し,そのオーナーの生活ぶりを紹介するというもの。我が家も第5号に登場しているが,残念ながらオーナーが湘南向きでないと思われたためか,私のライフスタイルは紹介されていない^^;;。ユニークな不動産物件も紹介されているので,「移住」を考えている人にもお薦め。都内に比べれば,物価もずっとリーズナブル。この出版社,最近調子に乗って,横浜スタイルとか田園スタイル(といっても田舎暮らしではなく,田園都市線沿線だけど)も出しているようだ。

5月28日

暑くなってきましたので,いよいよ上着なしで出勤です。身軽なのはいいけれど,ラジオや携帯など,いままでポケットに入れていたものが急に邪魔になりました。集英社新書の新刊「天才アラーキー写真ノ方法」(荒木経惟)が出ました。『写真つーのはさ,生きることなんだよね』と,天才写真家アラーキーがカメラやフィルムの選び方,風景・ヌードの撮り方,ポラロイドの極意など写真の撮り方を実践的に伝授。今すぐ写真を撮りたくなることうけあい。アラーキーの最新写真も多数収録。『この本は60歳を超えてなお日本を代表する写真家として世界的に大活躍を続けている写真家による,湯気の立つような写真をもとにした今の写真論です。(集英社)』

5月24〜27日

土日も仕事で出ていたため,かなりへばっています。そんなときは,軽い本しか読めなくなるもので,パソコン関係とか,カメラとか,クルマとか....なんとなくメカ系の本が多くなるのが特徴かな。来週はどうにか「まともな」本を読んで行きたいと思います。

5月23日

あいかわらず雨が降り続いています。講談社文庫の新刊,渡辺篤史「こんな家を建てたい」にはびっくり。サイズは普通の文庫本サイズなんだけれど,子供の絵本みたいな横開き....^^;;。普通に棚に入れると背文字が上にいってしまうので,どうやって並べればよいのか,書店も悩んだことでしょう。アイデアあふれるたくさんの家を豊富な写真で紹介しているお薦め本なのですが,ちょっと書店で開いてみてください。妙な感じがしますよ。あ,カバーかけてください,って言ってみればよかったな。

5月21〜22日

どうも最近,新橋大古書市は雨にたたられていますね。Web上でヴァーチャル書店を作ろう!という『みんなの書店』が始まりました。 イーエスブックスのホームページ上に自分の趣味で本を並べて開店。その店を見て,実際に本を買った人がどれだけいるのか,実際の売上げや来店者数も知らせてくれます。まあ,他力本願なインターネット書店ということですが,面白い企画のある人はチャレンジしてみたら。

5月18〜20日

週末は良い天気に恵まれて,行楽地は賑わったことでしょうが,我が家は3人とも風邪気味で,遠出することが出来ませんでした。新橋駅機関車広場恒例の大古本市が21日〜24日まで開催中です。都内の古書店からの出品で,文庫本やムック,画集,小説類が中心ですが,通勤読書用にいかがですか?

ちくま文芸文庫から,「デュメジル・コレクション」の刊行が始まりました。文庫で1700円という値段もなかなか。デュメジル(1898-1986)は,言語比較よりも神話の構造比較を重視した新比較神話論を研究,ローマの年代記,ゲルマン,ケルト,インドの神話,イランのゾロアスター教などに共通してみられる神話の3つの機能,第1機能 神聖,第2機能 戦闘力,第3機能 再生産性を明らかにしました。これは,日本神話の研究でもよく言及されるところなので,私も勉強してみようと思っています。

5月17日

ずっとカメラはマニュアルフォーカスを使っていたのだが,ここ数年は眼が悪いせいもあり,オートフォーカスじゃなければとても素早くピントが合わない状態。だけどオートフォーカスは,クルマのオートマティックと同じで,便利ではあるが,操作していて楽しいものではない。そこで,またまた内田ユキオ「M型ライカの買い方・使い方」を読む。内容は,M型ライカの特徴,使い方,購入ガイド,各レンズ特徴,ライカとの付き合い方^^;;,といったHow toと豊富な作例。この作例が印刷の関係で,今ひとつ冴えないのが残念だが,モノクロの作品は,なかなか巧い。マニュアルの魅力は十分感じられるものの,さて自分がライカ病に罹るかとなると?

5月15〜16日

さて,岩波文庫「ユトク伝」を読んで,なにか一言,と思っていたのですが,読み進んでいっても,さてどうしたものやら見当がつかない。見出しを並べると,弟子のコンポユトクに伝記を請う,主バヌマ天界より来臨す,シェーラブ・レティとイトマの出会い,イトマと聖者バミバ,イトマナーガの国へ,三人の守護尊の指示,王妃の誘拐,天からの植物,薬の種子を蒔く,薬師仏の啓示といった具合で,個々には興味深いエピソードもあるのですが,全体としては恐れ入りました,といった感じ。もう少し読み込んでみます。

5月14日

岩波文庫新刊「うるしの話」(松田権六)はとても楽しく,かつ勉強になりました。うるしとは何か?,古代からの漆工芸の歴史,各種の技法,各地に伝承された技術などを解説するとともに,漆聖と呼ばれた著者が,客船の室内装飾や国会議事堂御便殿の漆芸加飾など,スケールの大きな漆工芸を手がける一方,中尊寺金色堂の保存修理,正倉院宝物の調査など文化財の修復にも取り組み,果ては海外へ売り込みをはかって,ブランドものの万年筆やパイプに蒔絵を取り入れ評判になるなど,興味深い話がたくさん。元版は岩波新書。

5月10〜13日

uchida暑くなりましたね。当地でも昼間は25度以上とか。水着のまま歩いている女性もちらほら見かけるようになりました。水着といえば,写真?というわけですが,ナツメ社の新刊「ライカの写真術―写真はライカが教えてくれた」(内田ユキオ)を読みました。内田さんは,長身でごついけれど,ちょっと少年ぽい印象のあるカメラマン。よく整理された,綺麗な画面を作る人で,作品は私好み....。この本は,あくまでライカ初心者向けなので,写真好きな人には物足りないでしょうが,作例がうまく配されていて,わかりやすい。私など,(購入資金がないのが第一の理由だけれど・・・シグマのズームも愛用中^^;;)街中でライカを持って撮影する....ということを考えただけで恥ずかしい気持ちがするので,まだまだ子供だ,ということかしらね。

5月9日

本屋に入って,なにも買わずに出てくるというのは,大変な屈辱なので,入ったからにはなんとか面白そうな本を見つけたいと思ってはいるものの,電車の時間などに追われていると,これは結構な苦行である。昨夜は,散々迷ったあげく,気がついたら朝日文庫の新刊「鳥頭紀行ぜんぶ」(西原理恵子)を手にしていた。全ページカラーで500円というのは,ずいぶんサービスが良いな,と嬉しくなったが,実際読んでみると,元本を単に文庫版に縮小しただけなので,結構読みにくい。電車の中だと,気持ち悪くなるかも。内容は,恐山からタイ,マカオまで,各地を訪ねての釣りやギャンブル,そして同行するおかしな編集者とおかしな取り巻き連中のバカっ話。個人的には,ユニークな編集者裏話が面白い。(写真は元本)

5月8日

いつもラジオを聴きながら寝るんですが,ちょうどその時間に深田恭子の番組をやってるんですね。「こんばんは ふかだきょうこで〜す」でいきなり脱力。なんかしゃべりがすごいんで,くせになりそうです。また,青空文庫に新しく入った「江戸川乱歩氏に対する私の感想」(夢野久作,ちくま文庫所収)を興味深く読みました。未見の恩人,乱歩氏に対し,『或はこれは人知れず、心の中で思うべき種類の感想で,徳義上,社交上,発表を許されない程度のものかも知れない……と思いましたが,文壇の儀礼を体験した事のない私は,そんな事も問題にしまいと思って……眼をつぶって……自分の一切を棚に上げて……手加減なしにグングン書いて来ました。これだけ書くために,精神的な意味で生命(いのち)がけの思いをしている事をお察し願って,すべてを許して頂けますれば,私の面目これに過ぐるものはありませぬ。』ということなので,心して読みましょう。

5月7日

岩波文庫今月の新刊は,「アレクサンドロス大王東征記 上」(アッリアノス),「今昔物語集 本朝部」,「時間と自由」(ベルクソン),「ロシア革命史 5〔全5冊〕」(トロツキー)の4点。アレクサンドロス,というか世界史の講義として面白いサイトがあります(英文ではここ)。ちなみに文庫本では,講談社文庫「獅子王アレクサンドロス」(阿刀田 高)も。『紀元前4世紀,わずか10年余でギリシアからインドに及ぶ大帝国を築き上げたアレキサンダー大王。その少年時の師は哲人アリストテレスであった。いかなる劣勢,いかなる謀略にも屈しなかった最強の武将の真の姿とは?勇気と知性と一途な夢をもって駆け抜けた波瀾の生涯を圧倒的スケールで描く長編小説。』 また,今昔物語は,「天竺部」,「震旦部」,「本朝部」の31巻からなりますが,今回は「天竺・震旦部」1冊,「本朝部」3冊に約400話を抄録とのこと。

5月1〜6日

連休中いかがでしたか? 私は格別なこともなく,なんとなく過ぎてしまった感じ。やはり通勤電車じゃないと,読書は捗りませんね。車内じゃないと読む時間がないから文庫本ばかり読んでいるのか,文庫本好きだからこういう読書スタイルに馴染んだのかわかりませんが....。そんな中で,文春文庫「それはまた別の話」を読みました。三谷幸喜と和田 誠の映画を巡る対談集で,舞踏会の手帳,バンド・ワゴン,裏窓といった懐かしいものから,トイ・ストーリーやエイリアン,ダイ・ハードまで,ヴァラエティーに富んだ作品を取り上げています(キネ旬96,97年に連載)。三谷氏と和田氏は世代が違うので,それぞれの作品との出会いも異なるわけですが,演出家・脚本家,監督という立場もあり,現場の見方というか,目の付け所がなかなかユニークで楽しめます。

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