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6月28〜30日 ワールドカップも終わってしまいました。この一ヶ月間,熱心に見ていたからといって,明日からはJリーグだ・・・とはならないのがにわかファンの所以。新潮文庫「さよならバードランド」を読みました。渋いベース奏者ビル・クロウの回想録で,ジャズ界の大物の楽屋裏話も満載。マイルス自伝ほどのアクの強さはなく,人柄の良さが漂ってくる楽しい本。ベニー・グッドマンに関しては,かなり辛辣に書いているけれど。村上春樹の訳と,和田 誠の絵も雰囲気がよく出ていてます。おまけで,かつてジャズ喫茶をやっていた村上氏推薦のレコードリストも。
6月27日 「社会思想社事実上の倒産」というNEWSにビックリ。6月25日に不渡りが発生し,事実上の倒産に。かつては「菊と刀」や「ルーツ」,また,最近ご無沙汰気味ですが,学生の頃はいろいろお世話になった現代教養文庫の版元として親しんできただけに残念。祈再起。
6月26日 鬱陶しい日が続いていますね。昨夜は,子供が夜中に吐いて,大騒ぎ。べつに吐くのは大したことではないのですが,その前に納豆をガンガン食べていたからね。おかげで寝不足。書店で新潮文庫の「さよならバードランド」(ビル・クロウ著,村上春樹訳)を探したのだが見つからず。というか,村上春樹のところを探していたからなかったのかも。海外文学の棚も見てみよう。
6月24〜25日 岩波文庫新刊「新編 作家論」(正宗白鳥)を一気に読んだ。自然主義の代表的作家といわれる正宗白鳥が,きわめて率直に明治,大正文学の流れと,その時代の作家達を語っている。同時代にパリにわたった荷風と漱石の感覚の違いからはじまり,『明治の日本は,あれほど欧州を尊崇しながら,その感化の下に,自国の清新な情緒や意志を具体化したすぐれた芸術を産出し得なかった』とし,その結果,『昔読んで面白く思った明治の小説も,今日読むと,大抵は詰まらなくなった。本当にすぐれた作品が乏しかったためだ』という。そんな中で,鴎外の「即興詩人」は,明治文学史上に最も燦爛たる光を放っていると考え,正宗自身,それを胸にイタリアを訪れたほど。もちろん,自然主義に関する緒論も興味深いが,実感に満ちた各作家論が,とにかく面白い。
6月20〜23日 カミサンの都合により,週末は子供の相手やなにやらでバタバタ。岩波アクティブ新書の新刊「いい音が聴きたい」(石原 俊)を読む。「実用以上マニア未満のオーディオ入門」と副題にあるとおり,ウォークマンやラジカセで良い音を聴くにはどうしたらよいか,ミニコンポやセパレートシステムの構築法,パソコンや中古オーディオ機器の活用など,実践的なワザを取り上げている。著者はオーディオ=使いこなしであるとし,現在あまりにマニア指向となってしまったオーディオを身近なものにしたいとのこと。たしかに,以前多くの家庭でどーんと応接間に置かれていた「ステレオ」がなくなり,音楽はウォークマンやラジカセなどきわめてパーソナルなものでのみ再生され,家族揃って音楽を聴く機会などすっかりなくなってしまったことは確か。
6月19日 「作家論」もカバンの中に入っているのですが,まだ「マイルス」を読んでいます。「マイルス」の文章はよいのですが,組みの関係なのか,非常に目に負担がかかって長く読み続けられないという変な本です。
6月18日 6月14日に福音館文庫が創刊されました。『福音館書店の50年にわたる出版活動から生まれた数多くの作品の中から,よりすぐった作品を集め,子どもたちと本との幸福な出会いがひとつでもふえることを願っています』とのことで,岩波少年文庫のイメージかな(サイズはちょっと大きい)。初回刊行は15点。大きな森の小さな家(ワイルダー),木かげの家の小人たち(いぬいとみこ),魔女の宅急便(角野栄子),宝島(スティーブンソン),イギリスとアイルランドの昔話(石井桃子),人間だって空を飛べる(ハミルトン),幼ものがたり(石井桃子),くまのパディントン(ボンド),トンカチと花将軍(舟橋克彦),二年間の休暇 上・下(ベルヌ),砂の妖精(ネズビット),ロシアの昔話(内田莉莎子),少年動物誌(河合雅雄),小さな反逆者(ニコル)。創刊記念のセットケース入りもあるようです。
6月17日 いまごろになって,と自分でも思うが,宝島社文庫「マイルス・デイビス自叙伝」を読む。90年同社刊の自叙伝,完本につづいて,ようやく文庫化された。上下巻で750ページととにかく長いが,幼い頃の思い出,家族との確執,たくさんのミュージシャンとの出会い,挫折と復活....興味深い話をインタビュー形式で引き出し,うまくまとめている。マイルスについては,詳しいページがいろいろあり,だいたいこの自叙伝から年譜を作っている。それだけマイルス情報の宝庫だということ。中山氏のスッキリした翻訳も良く,なんといってもマイルスのカッコ良さにほれぼれする。
6月14〜16日 筑摩書房新刊「文章読本さん江」(斎藤美奈子)は,『文章読本と呼ばれる一連の書物自体に光をあててみよう』ということで,これまで批評の対象になりにくかった「文章読本」(谷崎潤一郎,三島由紀夫,丸谷才一,井上ひさし,本多勝一,清水幾太郎)を論破していくもの。著者曰く,『ワシがカタキをとってやる,という気持ちは確かにありました。たまたま読んだ「文章読本」に書いてあった規範が,神聖な掟みたいに見えて,トラウマになっちゃうことってないですか? 私はああいう本のそう熱心な読者だったわけでもないのですが,それでも何かの拍子に読んでしまった直後は,必ず筆が萎縮する。「文章読本」はどうしたって抑圧的なんです。ですから,呪縛を解きたいというか,みんなもっと自信を持て,といいたかったのは事実です。文章読本は書き方のテクニックを教える本だと思っていましたが,奥深くであがいているうちに,その裏にはかなり歪んだ文章イデオロギーが潜んでいるんじゃないかと気がつきました。文章読本を読んだことのある人には「あの感じ」がわかってもらえると思いますし,読んだことのない人は「未知との遭遇」を楽しんでほしいです。個人的には文体模倣というか,文章のパスティーシュをするのが楽しかった。がんじがらめの文章規範から,少しでも自由になれる読者が増えれば本望です。』
6月12〜13日 ようやくADSLが復旧。またがんばります。原因は,モデムの故障だと思い,モデム交換もしたのですが,,どうも一時的な回線不良かな....といった感じ。
6月11日 今月復刊されるピエール・ロチの「氷島の漁夫」。ずっと前に読んだ本ですが,なかなか泣かせる話なんですね。ピエール・ロチは,フランス海軍軍人として,世界を周遊し,長崎にも半年ほど滞在。その時の体験による「お菊さん」,鎌倉や日光,赤穂義士の墓などを詣でた時の印象を綴った「秋の日本」などで知られています。「氷島の漁夫」は,『19世紀末の北仏ブルターニュの漁村。せつない長年の誤解もとけ,想い想われる男と女が結ばれてわずか6日のち,氷島(アイスランド)近海へと出漁していった夫は,ふたたび生きて帰ることがなかった……。大海に生きる人びとの苛酷な宿命を,印象派の画家をおもわせるタッチで描きあげた19世紀フランス文学の名作』(岩波書店)ということで,この機会にぜひ。
6月10日 ようやく関東地方も梅雨入りの気配。今月の岩波文庫新刊では,正宗白鳥の「作家論」をまず読まなくては,などと思いつつ,あちこち覗いていたら,豚の戰爭というページに行き当たった。最近読んだ本や,これから買うべき本をマメに記録していて感心。ちょっとピンクの画面は目に厳しいが^^;;。で,正宗白鳥は,明治12年岡山生まれの小説家,評論家。内村鑑三らの影響を受け,明治30年に受洗したが,次第に教会から遠ざかる。島村抱月の指導で評論を書き始め,読売新聞社に入社。記者生活のかたわら小説の筆をとり,自然主義作家として知られるようになった。昭和に入ると評論に活動の主力をおき,小林秀雄が読売紙上に発表した「作家の顔」に関して,「思想と実生活」論争を展開し注目された。白鳥の作品としては,創元文庫「作家論」,講談社文芸文庫「内村鑑三・我が生涯と文学」,新潮文庫「生まざりしならば・入江のほとり」,中公文庫「思い出すままに」,「今年の秋」,岩波文庫「何処へ・泥人形」,「入江のほとり」がある。
6月6〜9日 9日はワールドカップ日本の初勝利で盛り上がりましたね。この暑い中,少し涼しげな文庫ということで,新刊「近代建築再見」(エクスナレッジ)を読みました。雑誌「建築知識」に連載された全国各地の特徴ある近代建築訪問記,再編集したもの。東日本29,西日本28の民家,商家,農家など身近な建築物を取り上げ,写真や図面と共に紹介しています。もともとプロの建築家のための雑誌に書かれたものなので,素人には説明が詳しすぎる嫌いはありますが,ふだんあまり目にする機会がない建物が多く,興味深く読むことができました。2分冊で各1400円というのは,ちょっとHeavyでしたが。
6月4〜5日 狐物語も読み終わり,順番からいくと「ヘルダーリン詩集」なのだが,訳詩から『天上的とも類えられる境地』を感じるのは,なかなか難しく,これはおいておくことにして,河出書房新社の新刊「ジャズ喫茶に花束を」を読む。私と同世代でジャズ喫茶好きである著者が,全国のジャズ喫茶9軒を訪ねて,ジャズへのこだわりはもちろん,店の歴史や客層など,客として気になるところを店主にインタビューしてまとめたもの。我が家のすぐ近くにある「響庵」も取り上げられている。じつは,目立たない「HIBIKI-AN」という看板を出しているその家が何であるのか,ずっと疑問に思っていたのだが,神田神保町で30年近くジャズ喫茶「響」をやっていた店主が店を閉め,湘南の自宅で開いた店だと初めてわかった。各店主が30枚ずつ選んだジャズCDも紹介している。
6月3日 岩波文庫新刊「狐物語」のどこを探しても改訳改版の文字がないのを不思議に思ったが,ぱらぱらと後書きを読んで勘違いに気付いた。狐物語の日本語訳は,文庫本では,ちくま文庫にしかなく,関係するものとして,岩波から「ラインケ狐」が出ている。これと一緒になってしまったよう。間違いついでに言えば,狐物語から派生した「ラインケ狐」はドイツ中世文学で,そのまた流れを汲むゲーテの「ライネケ狐」もあることから,「狐物語」もドイツ文学かと思うと,これは12世紀のフランス文学なのでした。内容は,さまざまな作者によって書き足されていった悪狐ルナールの物語。敵役の狼イザングランとの戦いを描きながら,そこに当時の宮廷や町民,農民たちの生活を織り込み,人々の滑稽な様子を皮肉な目で笑いとばしている。岩波文庫版は1/3ほどの抄訳。
6月1〜2日 もう6月ですね。残念ながら,ADSLは接続不能のまま,当分復活しそうにないです....。週末は30℃近くになり,海ははやくも水着だらけ。普段Jリーグなど見たこともないのに,ワールドカップは熱心に観戦。その合間を縫って,「少林サッカー」という香港映画を見てきたのですが,アホらしいと思いつつ,結構笑えました。2chの「古本にはさまれている物」は,なかなか面白くお薦め。
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